
【2025年決定版】店主・青木が語る──アンティークコイン投資で「時間と数字」を味方にする完全ガイド
アンティークコインの世界へようこそ。
aokicoin店主の青木です。
北アルプスを望む松本のショールームで、私は毎朝コーヒーを淹れながら金相場と世界オークションの速報を確認しています。この記事では 2025年5月時点の公式データ と 現場で得た一次体験 を重ね、「なぜいまアンティークコインなのか」を読み物調で深掘りします。
1 供給は減る一方──“絶対的希少性”の数学

現存率はおよそ11%しかない
英国造幣局が2021年に発表した追跡調査では、1850年代に鋳造された英国ソブリン金貨の総発行枚数に対し、現存がわずか11パーセントでした。
これは「百年以上経過した貨幣のほとんどが、溶解回収や戦時徴用、単純な紛失で消えた」ことを数字で示しています。株式に増資、不動産に新築、ワインに新年度ビンテージがあるのと対照的に、アンティークコインは“在庫が年々目減りする”という珍しい資産です。つまり時間が経つほど供給が減り、希少性が強まる──価格が落ちにくい物理的理由はここにあります。
2 三層構造が値を押し上げる──地金・希少性・物語

地金価値が土台をつくる
4月末のロイター調査は、2025年平均金価格を3,065ドル(約48万円)と予測しました。
純金を同量だけ買った場合の“原価”がすでに48万円ある──これが第一層。ゼロ円になる危険性が理論上ほぼない理由です。
希少プレミアがレバレッジになる
ロンドンの大手コインディーラーが公開した六年分の社内成約データでは、金相場が10パーセント上がった局面で希少グレード金貨(残存1,000枚未満)は平均23パーセント価格が伸びました。希少品ほど「買いが数人増えるだけで相場が跳ねる」構造があるため、地金の上昇が倍速で効くわけです。

歴史ストーリーが価格を跳ね上げる
2023年秋、ドイツ博物館が開いたゴチッククラウン特別展の直後、同型銀貨のオンライン平均価格は三週間で58パーセント跳ね上がりました。展示が「文化財としての注目」を呼び、美術品プレミアが一気に加算された例です。博物館やメディア露出が無料広告に変わり、価格の上限を外す第3エンジンとして働きます。
3 2025年を押し上げる三つの追い風
金価格は歴史的高値圏
ロイター調査の平均3,065ドルに加え、ゴールドマン・サックスは4月14日に年末見通しを3,700ドルへ上方修正しました。
背景にあるのは中央銀行の買い越しです。世界金評議会によれば、中央銀行は24年に1,045トンを購入し、3年連続で1,000トン超えを達成。
“国が買い支える”構図が続く限り、地金層は分厚くなり、プレミア層を押し上げる地盤がより高まります。

NISAマネーが実物へシフト
金融庁速報(3月末)では、新NISA口座が2,560万、年間買付額は17.4兆円でした。多くの投資家は株と投信で利益を得た後、「増えた分をどこで守るか」を考え始めます。インフレ下で目減りしない実物資産への関心が、検索トレンドでも前年比22ポイント増と急増しました。マネーの一部がコイン市場に流れ込む下地が整いつつあります。
オークションマネーの地理的拡散

1月のニューヨーク国際コイン展(NYINC)では、南アフリカ唯一の「シングル9」金貨が2億1,600万円で落札されました。
これは従来“英仏王室コインだけが高額”だった超高額帯に新興国銘が入り込んだ画期例です。買い手の視野が横に広がると、市場の価格弾力性そのものが増すという点が重要です。
4 リターンと揺れ幅──“ほど良いリスク”を数字で確認
アンティークコインは、投資先として「リターンがしっかりあるのに、価格の揺れが小さい」というバランスの良さが注目されています。これは“なんとなく”ではなく、世界的な統計データによって裏付けられている事実です。

ナイトフランク社が出した数字が示すもの
イギリスの不動産・資産管理会社ナイトフランク社が毎年発表する『The Wealth Report(富裕層レポート)』では、さまざまな「ラグジュアリー投資対象」(高級ワイン、美術品、時計、クラシックカー、宝石など)を比較しています。その中で、アンティークコインの10年間の累積リターンは+56%とされています(2024年版より)。
これはどういうことかというと、「10年前に100万円分のコインを購入していたら、現在は156万円程度になっている」という計算です。
さらに注目すべきは、価格の上下動=“揺れ幅”(ボラティリティ)が小さいことです。コインの年間の値動き幅はおよそ8%とされており、これは株式市場(14%超)よりもかなり安定している数字です。
「株より控えめ、でも安定」だから選ばれる
リターンだけを見ると、たしかに世界株価指数(MSCI World Index)の10年リターン+79%のほうが高いです。しかし、株式はその分だけ揺れも大きく、1年のうちに20%〜30%もの上下があることも珍しくありません。
一方でアンティークコインは、年ごとの価格変動が比較的穏やかで、暴落しにくい傾向があります。特に金価格の下支えと、希少性による価格の下限があるため、「預けたお金が突然半分になる」といったリスクが小さいのです。
貯金より増え、株よりブレない。ちょうどいい“投資の居場所”
銀行に預けていても、現在の普通預金金利は0.001〜0.002%。これは100万円を1年預けても10円〜20円しか増えないという数字です。インフレによって物価が2%上がったとしたら、実質的には「損」をしていることになります。
そこで、「リスクは最小限に、でも少しでも資産を増やしたい」という人たちが、アンティークコインのような“ミドルリスク・ミドルリターン”の資産に目を向け始めています。
アンティークコインは、激しく動かず、でも確実に価値を積み上げていく“静かな選択肢”。10年後、「やってよかった」と思える投資をしたい方にこそ、ぜひ知っていただきたい資産です。
5 メリットを数字で検証する──「始めやすい」「安心できる」「続けやすい」を裏付ける3つのデータ

❶ 参入のハードルが低い──“2営業日で資産の一部が実物になる”
項目 | アンティークコイン | ネット証券(株) |
---|---|---|
口座開設手続き | 不要(メールと銀行振込のみ) | 本人確認書類アップロード・マイナンバー提出 |
取引開始までの平均日数 | 2営業日(振込→発送) | 5〜7営業日 |
管理に必要なアプリ | なし | 専用スマホアプリ+2段階認証 |
ポイント解説:銀行振込が確認され次第「発送」または「店主手渡し」の手続きに入るため、金曜日振込 → 翌火曜受け取りも可能。購入後は保管場所を確保するだけで、パスワード流出やハッキングといったサイバーリスクとは無縁です。
❷ 真贋リスクを数値で管理──「99%の検出精度」と“その場で照合”
技術 | 従来(肉眼鑑定) | 2025年以降(PCGS OSC2.0+NFCタグ) |
---|---|---|
検出精度 | 個人鑑定士の経験に依存(非公開) | 99%超(画像AI+クラウド照合) |
照合にかかる時間 | 専門店に持ち込み数日 | スマホで10秒 |
誤判定リスク | 鑑定士間でバラつき | 世界共通DBで一元管理 |
ポイント解説:PCGSのAI「OSC2.0」は提出画像を即解析し、偽ラベルや重複提出をリアルタイムでブロック。スラブに埋め込まれたNFCタグをスマホでタップすると公式画像が表示され、購入者自身が真贋を“10秒で”ダブルチェックできます。
❸ 長期保有を支える“心理的複利”──「7年持つ人が多い」理由
調査データ(2023 LSE) | コイン保有者 | 株式個人投資家 |
---|---|---|
平均保有期間 | 7.4年 | 4.1年 |
利益確定の主因 | 子供の進学・住宅購入 | 市場変動への不安 |
所有物への愛着度 | 81%が「飾って楽しむ」と回答 | 23%(株券は無形資産) |
ポイント解説:コインは“見て楽しい”芸術品の要素があるため、売却理由は「資金が必要になったとき」が大半。短期の価格変動に振り回されにくく、希少性が年々高まるぶん長期保有のインセンティブも強まります。
■ 3つのメリットをまとめると
- 始めやすい:2営業日で資産が実物化。面倒な口座開設やアプリ管理は不要。
- 安心できる:AI+NFCタグで真贋リスクをその場で数値化。検出精度99%超。
- 続けやすい:平均保有7年以上。希少性が年々高まり、複利効果を取り込みやすい。
「ハイリターンを狙って大勝負はしたくないが、現金や預金だけではインフレが怖い」――そんな方にこそ、アンティークコインは“ちょうどいい難易度”の選択肢になります。
6 リスクとその対処 数字と手順で不安を封じ込める

贋作をつかむ恐怖
PCGSまたはNGCのスラブ入りのみ販売。購入前にスラブ番号と公式TrueView画像リンクをメール送付し、スマホで10秒あれば真贋を照合できます。2018〜24年の取扱ロットで誤判定は0件──信頼の根拠は“公開データ”です。
高値づかみ
仕入れ上限を「直近3回の世界落札平均+5%」に固定し、社内システムが逸脱登録を自動拒否。2023年は市場平均より約3ポイント安く仕入れ、お客様の購入単価も割安に。
出口が読めない不安
海外大手7オークションと直接契約し、委託から円建て送金まで平均27日。売却相談時に「海外委託=手取り85%」「国内即金=手取り78%」の試算表を提示するため、現金化の金額とスケジュールを事前に把握できます。
7 現場の熱は数字より速い
──ベルリンと香港で肌で感じた3つの教訓

ベルリン最終日「在庫一掃タイム」で拾う17%の値幅
ベルリン・コインフェアの最終日16時、搬出コストを嫌うディーラーが一斉に値札を書き換えました。私はその瞬間を狙い、古代マケドニア銀貨テトラドラクマを通常より17%安く購入。4週間後、ニューヨーク・オークションで同品を11%高く売却できました。統計にはまだ載らない“生の値幅”を捕まえるには、現場で時計を見ながら動くしかない――これが教訓の一つ目です。
香港の“束買い”が示すアジア資金の瞬発力
4月の香港春季セールでは、中国近代穴銭のMS65以上が20枚まとめて落札される場面を目撃しました。開始15分でハンマーが跳ね上がり、その後の単品ロットまで吊り上げられる連鎖を体感。アジアマネーは「まとめて確保→相場を引き上げる」という手法で動くため、東京で数字を待っていては一歩遅れます。スピード感の差を身体で覚えたのが二つ目の学びです。
“熱”は統計の先行指標―数字より先に空気を読む
会場のざわめき、値札の書き換え、ディーラー同士の小声――こうした肌感は翌月の価格指数になって初めて可視化されます。つまり統計レポートは現場の後追い。だからこそ、現地で温度を感じることが最良の先行指標になる。ベルリンと香港で得た三つ目の教訓は、「紙のデータより先に、人の熱を読む」ことでした。
8 2025年、私が“仕入れ候補”にする三銘柄──数値・歴史・市場厚みで選んだ「即戦力」と「育成枠」
1. オーストリア 20 ダカット 1637年〈MS64 以上〉

1637年はハプスブルク家フェルディナント3世が神聖ローマ皇帝に即位した年。その戴冠を祝う 20 ダカット金貨は、直径約43ミリ・重量69グラム超という圧倒的な存在感を持つ“王室大型”。大型ゆえに溶解被害も多く、オークションに姿を現すのは年5〜6枚がやっとです。2024年のヘリテージ NY セールでは MS64 が約240,000ドル(3,600万円)で落札され、直近3回平均は3,500万〜4,200万円レンジに収まっています。重量があるぶん金相場が上昇すれば底値が押し上がり、加えて「王室×大型」というコレクション需要が流動性を担保。視覚インパクトと手堅い出口を両立する“長打力”のある一枚です。
2. 袁世凱 パターン・ダラー 1916年〈SP64 以上〉

辛亥革命後に短期間だけ国家主席となった袁世凱が、自らの皇帝即位計画のために試作したパターン銀貨。通常流通のドル銀貨とは異なり、モットーや麒麟図案を試した試鋳品で、現存は50枚前後と推定されます。2024年秋の Stack’s Bowers 香港オークションでは SP64 が190,000ドル(約2,900万円)で落札され、同社カタログ上限は約3,050万円。中国本土・台湾・シンガポールのコレクターが買い上げるため、短期で10〜15%の値幅が狙える“回転の速いアジア銘柄”です。政治史・軍閥史という物語性が強く、エングレービングのシャープさも評価ポイント。金相場に左右されにくい “歴史プレミア” 系の代表格と言えます。
3. ヴァイマル 200 マルク 1923年〈MS65 以上〉

第一次大戦後のドイツが記録的ハイパーインフレに沈んだ1923年、額面を象徴するかのように金含有量を思い切り抑えて発行された小型金貨(直径18ミリ・重量1.56グラム)。MS65クラスでも10万〜15万円で入手でき、初心者のポートフォリオに組み込みやすい価格帯です。歴史の授業や経済記事で “インフレ時代の象徴” として引用される頻度が高く、近年はメディア露出が増加。2024年のCNGドイツセールでは、過去3年平均を8%上回る価格で落札されました。まだ三桁ドルにとどまる“育成枠”ですが、社会科教材としての話題性が価格押し上げのエンジンになり得ます。
9 aokicoinの6ステップ──メール主導の安心フロー
1.メール相談【最優先】
まずはメールで「目的・予算・希望保有期間」をお知らせください。48時間以内にヒアリングシートと最近6か月の落札データを返信します。ご自宅で相場を把握し、追加質問もメールで気軽にどうぞ。
2.電話/Zoom【ご希望時のみ】
メールで解決しにくい部分があれば日時を調整。画面共有で公式TrueView画像を拡大し、スラブ番号・細部を一緒に確認します。こちらから積極的にビデオを提案することはありません。
3.電子注文書&銀行振込
内容が固まったらPDF注文書を電子署名サービスで発行。振込確認は営業日当日中に行い、入金受領メールと発送予定日を即返信します。
4. 受け渡し──セキュリティ便 or 店主手渡し
- セキュリティ便(標準):全額保険付きで発送し、伝票番号と保険証書をメール送付。
- 店主手渡し(要望時):お客様指定の場所へ伺います(全国対応・交通費のみ実費請求)。現物をその場でご覧いただき、質問にお答えします。過度なライト検査は行わず、スラブ番号と公式画像の一致確認が基本です。
5. 年1回マーケットレポート
毎年1月に金相場と世界落札分布をまとめた冊子とPDFをお届けし、売却か保有継続かの目安をコメント付きでご提案します。メールでの追加相談はいつでも無料。
6. 海外委託売却
売却希望3か月前までにメール連絡を。7大国際オークションから最適会場を選定し、手数料・想定落札レンジ・手残り額を試算。ご承諾後に出品し、ハンマー確定から約30日で円建て送金。国内即時買取との差額も事前に提示します。
終わりに──500年の物語と10年後のキャッシュフローを掌に
金価格高騰、NISAマネー、世界オークションの拡散──この三本の数字がアンティークコインを押し上げています。AI鑑定と電子タグのおかげで真贋リスクは「コストで抑え込めるリスク」に変わり、出口までの道筋も可視化されました。掌に収まる硬貨が500年の歴史と10年先のリターンを同封して届ける。もしこの物語に心が動いたら、まずはメールでご連絡ください。
数字とデータに裏打ちされた「静かな資産形成」の世界を、次は実際のコインを手に取りながらお話しできれば幸いです。
時を味方に、心にゆとりを。
aokicoin 店主・青木