アンティークコインの価値と歴史

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エリザベス2世のコイン 〜70年の歴史を映す5つの肖像〜

みなさま、アンティークコインの世界へようこそ。
今回は、エリザベス2世のコインについて、その5つの肖像やデザイン、そして様々な記念コインの魅力をご紹介します。若き女王が刻まれた初期のコインから、晩年の毅然とした横顔まで、約70年という在位期間の変遷が凝縮されているんですよ。

この記事のポイント

  • 女王在位:1952年~2022年(70年)
  • イギリスおよび英連邦諸国で多数のコインが発行
  • 5つの肖像デザインが公式に区分されている

エリザベス2世の肖像:5つの公式バリエーション

エリザベス2世のコイン肖像は、1953年から2022年の間に5種類が存在しました。デザイナーやデザインが変わるたびに、女王の年齢や時代の雰囲気が映し出されるのが大きな特徴です。

第1肖像(1953~1967年)/メアリー・ギリック版

即位間もない若き女王の初々しさが感じられる肖像。20代前半ということもあり、まだ少女の面影を残しながらも王冠を戴く気品が漂います。

第2肖像(1968~1984年)/アーノルド・マーチン版

君主としての経験を積み始め、少し誇らしげな女王の横顔が印象的。コインの裏面には、国や時代ごとに異なる意匠が施され、“より成長した女王像”を表現しています。

第3肖像(1985~1997年)/ラファエル・マクルーフ版

「聖エドワード王冠」を戴いた姿など、威厳と落ち着きのある雰囲気が特徴。世界的にも英国の存在感が増した時代に発行されており、コイン市場でも人気の高いシリーズです。

第4肖像(1998~2015年)/イアン・ランク・ブロードリー版

壮年期の女王の風格を捉えたデザイン。比較的長い間使用されており、年号や発行枚数によっては希少価値が高いものもあります。2002年の「ゴールデンジュビリー」記念コインなど、特別バージョンも魅力的。

第5肖像(2015~2022年)/ジョディ・クラーク版

晩年の女王の横顔をシンプルかつ毅然と描いたもの。比較的新しいため、状態の良いコインが見つかりやすい一方、発行枚数が限られる記念金貨などは急速に希少化することも。

いずれも左右向きが異なるのは、歴代君主が交代するたびに「先代と反対向きの肖像を刻む」という英国の伝統によるもの。チャールズ3世の肖像は左向きになっているのもそのためです。


英連邦諸国や記念コインの多彩さ

エリザベス2世のコインはイギリス以外の英連邦諸国、たとえばオーストラリアやカナダ、ニュージーランド、マン島などでも発行されてきました。国・地域によって肖像のバリエーションや裏面のデザインが少しずつ違うため、コレクターにはたまらない楽しみがあります。

さらに、女王在位中にはさまざまな記念コインも登場。

戴冠式記念(1953年)

エリザベス2世のコインの中でも特に有名なのが、1953年に行われた戴冠を記念して発行されたものです。そこには、デザイナーのメアリー・ギリックが制作した、エリザベス2世の初代肖像が刻まれています。

シルバージュビリー(即位25周年・1977年)

1977年発行のロイヤルミント製銀貨は、エリザベス2世の即位25周年記念として作られた25ペンスのクラウンコイン。クラウンは旧イギリス通貨制度で5シリングに相当する銀貨を指します。「ジュビリー」は君主在位の節目を祝う行事であり、この銀貨は1977年の25周年を機に「シルバー・ジュビリー」の名で知られるようになりました。

ゴールデンジュビリー(即位50周年・2002年)

「馬上のエリザベス」と称される意匠は、1953年戴冠記念コインを想起させつつも、イアン・ランク・ブロードリーが新たに創造した作品です。
女王の表情まで克明に描かれ、「臣民の愛によって守護されし女王」という碑文とともに、在位50周年を讃える5ポンド金貨として高い評価を獲得しています。

ダイヤモンドジュビリー(即位60周年・2012年)

2012年の5ポンド金貨は女王在位60周年「ダイアモンドジュビリー」を記念する特別な一枚。
表の新肖像と裏面の若き女王「ヤングヤング・ポートレート」はイアン・ランク・ブロードリーが再構築し、「神よ我が歩みを導き給え」の祈りを添え、60年の栄光と忠誠を体現します。

プラチナジュビリー(即位70周年・2022年)

1489年にヘンリー7世治世下で誕生したソブリン金貨は、玉座の王を描く究極の記念貨で、1604年に一度途絶えましたが1816年の金本位制採用で復活しました。力強い輝きとピストゥルッチの裏面デザインは、英国貨幣史の至宝と称されます。
1952年に即位したエリザベス女王は、2022年に在位70年という壮大な節目を迎えました。この特別なソブリン金貨は、その長き献身と王室の輝かしい歴史を讃える空前の一枚です。

いずれも発行枚数が限られているため希少性が高く、投資・コレクション両面で人気が集まっています。


なぜエリザベス2世コインは人気が高いのか?

誰もが知る“世界的知名度”

エリザベス2世といえば、世界最長在位クラスの君主であり、王室を知らない方でも名前を耳にしたことがあるほどの知名度。コイン市場においては「知名度=需要」に直結しやすく、海外のオークションでも買い手が多いのが特徴です。

豊富な種類と幅広い価格帯

1ポンドや50ペンスなどの流通コインから、5ポンド金貨や記念金貨のような高額なアイテムまで、とにかく種類が多彩。初心者でも比較的手頃な価格帯の銀貨や小額金貨からスタートできますし、大型金貨や特別発行のメダルなど高額投資向けの品も充実しています。

時代背景を凝縮したデザイン

とりわけ5ポンド金貨などは、「戴冠式記念」「各種ジュビリー」「ダイアナ妃追悼」など、特定の歴史的イベントに連動して発行されたものが多いです。一枚一枚が女王の人生と英国史を映す“ミニチュア画”のような存在で、コレクター心をくすぐります。


5ポンド金貨の魅力

そもそも5ポンド金貨とは?

通常の流通硬貨とは違う“特別感”

5ポンド金貨は、イギリスで正式な法定通貨の額面“5ポンド”が刻まれていますが、実際に日常の買い物で使うことはまずありません。大きなサイズと重量感、そして貴金属としての価値や美しいデザインを備えた「記念コイン・コレクション向け」の位置づけと言えます。

サイズ&デザインの迫力

1ポンド金貨やソブリン金貨(額面1ポンド)などに比べると、5ポンド金貨は直径・重量が大きいのが特徴。迫力あるデザイン面積を確保できるため、女王肖像や裏面デザインの芸術性がより映え、コレクター心をくすぐります。

1980年のヤングヘッド:“聖ジョージと竜退治” デザイン

バネディット・ピストルッチの名作

“聖ジョージと竜退治”は英国金貨の伝統的なデザインであり、19世紀初期に彫刻家バネディット・ピストルッチが手がけた名作。5ポンド金貨にも採用されることで、英国コインの象徴的イメージを強く踏襲しています。

ヤングヘッド女王の初々しさ

1980年には、まだ若き女王の肖像が用いられた「ヤングヘッド」版が発行され、人気の高い一枚となっています。今から見ると「当時のエリザベス2世はこんなに若かったんだ」という感慨も加わり、コレクターから高い需要があるのです。

記念テーマの多彩さ

追悼・記念コインとして

ダイアナ妃追悼記念やクイーンマザー追悼記念など、英国王室の大きな出来事をきっかけに5ポンド金貨が発行されることがあります。これらは「歴史的イベント+希少発行枚数」という要素で、コレクターの人気が非常に高いです。

新たな慶事・シリーズ企画

近年は、シャーロット王女の誕生や「タワー・オブ・ロンドンシリーズ」のように、モチーフを変えてデザイン性を高める発行が相次いでいます。これにより、投資家・コレクター双方の注目を継続的に集め続けているのです。

1枚あたりの価格は決して安くはありませんが、希少なタイプはオークションで大幅な値が付くこともしばしば。金の地金価値だけでなく、「デザインの芸術性」「歴史背景による需要」の両面から高い評価を得ています。


5. コイン購入を検討するなら?

事実ベースで希少性を見極め

「発行枚数」や「年号別の現存数」は、投資・収集をする上で重要なポイントになります。特に記念コインは発行数が数千枚~数百枚というケースも多く、希少性が高いほどコレクター熱が上がりやすいです。

在庫リストを確認してみる

もし「自分もエリザベス2世コインを手にとってみたい」「過去の価格推移をチェックしたい」という場合、まずは専門店の在庫リストを見てみるのがオススメ。発行年やデザイナー別に整理された情報を比較すると、自分の目指すコレクションの方向性が見えやすくなります。

ちなみに、aokicoinの在庫リストはこちら…

安心できるポイント

  • 真贋保証返品対応が明確なショップかどうか
  • 在庫の共同保有(海外ディーラー連携)についての説明があるか
  • 在庫切れの場合は返金保証があるか…など

まとめ

エリザベス2世のコインは、若き女王から晩年の女王へと移り変わる歴史そのもの。
5つの肖像が公式に存在し、さらに数え切れないほどの記念コインが発行されてきたため、「同じ女王のコインでも全然違う!」という面白さがあります。
投資目的であれば、発行枚数や過去の価格推移(あくまで事実ベース)を参考にすることが大切ですが、その一方で、美しいデザインや時代のストーリーに魅了されて収集を始める方も多いのです。

もし興味をお持ちでしたら、ぜひaokicoinの在庫リストを覗いてみてください。
「こんなデザインがあるのか」「この記念コインにはこんな逸話が…」と、新しい発見に出会えるはずです。

参考までに

  • 第1肖像の1953年発行「戴冠式記念コイン」
  • 第4肖像を用いた「ゴールデンジュビリー」5ポンド金貨
  • 第5肖像の「プラチナジュビリー」コイン
    …など、気になるコインが見つかったら、ぜひ手にとってその魅力を味わってみてはいかがでしょうか。

エリザベス2世の長きにわたる在位は、一枚一枚のコインに凝縮された“ロイヤル・ストーリー”とも言えます。アンティークコインの扉を開くには絶好のテーマですので、この機会にぜひ奥深いコレクションの世界を覗いてみてくださいね。

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